「菜奈ちゃん、何かあった?
今日はなんだか悲しそうだけど…」
「…昨日、熱出しちゃって…
先輩の試合観に行けませんでした…」
「あ、それで落ち込んでたの?」
コクコクと頷けば、楽しそうに笑う先輩にほっぺを膨らませる。
「あはは、拗ねないで?
昨日は俺も調子が出なくてさ」
「え、何処か具合悪いんですか!?」
「ちがうちがう!
そうだなー、菜奈ちゃんがいなかったからかな」
「…えええ!?」
まさかの言葉に驚くしかなくて、
先輩はまた笑う。
でもなんだか、気分が良くなってきた。
やっぱり先輩はすごい。
「菜奈ちゃん、今日は俺が直球に伝えるね」
「??」
「好き、菜奈ちゃんが好きだよ、大好き」
「……せ、んぱい?」
「直球に気持ちを伝えてくるところ、
その笑顔、コロコロ変わる表情、全部。
気づいたら好きになってたって、分かった。
これからはもっとたくさん話したいし、
もっとたくさん一緒にいたい。
だからさ、俺と、付き合ってほしい」
そう言っていつもの王子様スマイルを炸裂する先輩にドキドキが止まらなくって……。