日曜日



サッカーの試合で会場に行く。



いつも見える位置にいる菜奈ちゃんが、
今日はいない。



それに気づいたのは、俺だけじゃなかった。



「あれ?今日いつもの子いなくね?」



「あ、ほんとだ。
なんだー爽太に飽きたのか?」



「爽太、なんも動かねえもんな!
飽きられたなこれは!」



そうやって笑う同期に苦笑いをこぼして、
そっと周りを見渡す。



…飽きられた、か。



自分で言うのもなんだけどそれはないんじゃ…



だって昨日もすれ違った時に

「先輩!今日も好きです!大好きです!」

って最後にそう言って去って行ったし…。



そういえば長く会話したのって、
初めてあった時くらいだなあ。



それ以外は菜奈ちゃんはすぐに話を終わらせて
また明日!って言うから…、

きっと、相手のことを考えてるんだろな。



連絡先を聞いてこないのはきっと、
そう言うことを踏まえてるんだろう。



彼女なりの、考えがあるんだろう。



でも……



ピーッ!



試合の開始合図の笛がなる。

チームメイトにパスを回して前線へ。



……やっぱり、キミがいないと、
どうやら調子が狂っちゃうらしい。



キミの応援が、欲しいだなんて。



いつからこんなことを思うようになったのか。