今は自分の事じゃなくて相手のことを思ってついてる嘘だとしても、最後は自分でついたその嘘が相手を傷つけることになる。



結局は、全員が幸せになれる道なんてないんだよ。



沙羅ちゃんの彼氏はいつか必ず傷つかなければいけない時が来る。もちろん、沙羅ちゃんが本当に彼氏を好きになったら別だけど。



多分その時は訪れないと思うから。



『言いたいことはそれだけだから。』




俺はそれだけ言うと沙羅ちゃんに背を向けた。