先輩は決意したように

「俺、沙羅のこと諦めるからさ。
この前言ったことは、忘れてくれて構わねぇから。」



じゃあ。
と言って私に背を向け歩き出した先輩。




その背中に声をかけることが出来たのに、


呼び止めることが出来たはずなのに、私はそれをしなかった。