私がそれを断ったら大翔は悲しい顔をする。
受け入れなきゃいけない。


「ねぇ、沙羅。キスしていい?」


大翔はこうやって私に、聞いてくる。
聞いてこない方が楽なのに。


『いいよ。』


聞かれてダメって言えるほど私は冷たくない。


これで何度目だろう。大翔とキスをするのは。

『ンッ……ちょっとっ』


いつもは触れるだけのキスだった。