俺が愛した、あおいの話

校門からは次から次へと、生徒たちが押し寄せていた。

歩きの人も自転車の人も、足早に左右に分かれる。

全学年同じ制服、区別をつけるのは難しいし、和也は自転車で通ってるから、見逃した可能性もある。

今日がダメなら明日でいい。
明日がダメならあさってだ。

そう思いながらハンドルを握り、自転車のペダルに足を置いた。

普段のわたしは歩きだったけど、その日は自転車で来ていた。

このあと和也を追いかける為に、必要だと思ったからだ。

制服の上にジャンバーを羽織り、準備は完璧!だったはずだけど…

どこかで虚しい気持ちもあって、やめようかとも悩んでいた。

話してくるまで待つこともできる。
今ならまだ、知らなくて済む。

前ほど頻繁じゃなくても、
知らなければ普通に会える。

普通に会える…それでいいのかな?
わたしは和也のことが好きなのに、、、

いつかはきっと、
そのうちきっと、
そう願ってたばかりなのに、、、

ーーーはあ。

頭の中がグチャグチャになって、とりあえず今日はやめることにした。

やめることにした、その直後だった。
「じゃーな」と和也の声が聞こえた。

見たいとか見たくないとかじゃなくて、思わず目を向けてしまった。

一際目立つ背の高い男、、、
やっぱり和也はそこに立っていた。

「校門から出てきたのは五人。そのうち三人が右へ行った。和也ともうひとりは左…。そのひとりが、蒼井だったわ」