俺が愛した、あおいの話

「そんな感じで迎えた高二で、和也と蒼井は出会ってたわけよ。わたしは違う高校だったから、全然知らなかったけどねぇ」

出会ったことも恋に落ちたことも、わたしは何も知らなかった。

和也は何も言わなかった。
いや…、言えなかったのかもしれない。

朝起きて和也の家に行っても、すでにいないことが多くなって、校門の前で迎えを待っても、ドタキャンされることが増えた。

だからって避けられてたわけじゃなく、会えば普通に、いつもの和也で。くだらない話で笑い合って、またねと言ってバイバイした。

今は友達と遊びたい感じ?
その程度にしか思ってなかった。

実際わたしも女友達と、メイクやカラオケに夢中だった。

「恋人のフリは、終わったんですね?」
彼女に訊かれて少し悩んだ。

「どちらかに好きな人ができるまで、、、そういう話だったからね」

和也と蒼井が出会った時点で、恋人ごっこは終了してた。今なら分かるし理解できるけど、あの頃のわたしは知らなかった。

春が過ぎて、夏が終わって、
少し肌寒くなってきた頃に、
ようやく違和感に気づいて、そこから慌て始めたのだ。

遅すぎたなって今なら思う。
悔やんでも悔やみきれないくらいに…

だけどその気持ちと同じくらいに、
敵わなかったと、今なら思う。