俺が愛した、あおいの話

今でも相当かっこいいけど、あの頃はもっとアイドルだった。

男の中に無邪気さもあって、細い身体には筋肉がついて、、、

名前を知らない人はいなかった。
顔が分からない人は会いに来た。

みんなが和也に夢中だったけど、当の本人は疲れ果てていた。

「わたしを彼女にしといたら?って、見かねて提案したわけよ。どちらかに好きな人ができるまで…。一応、そういう条件つきでね」

片想いを拗らせすぎて、辛い思い出ばかりを引きずって、すっかり忘れてしまってたけれど、幸せ時もあったのだ。

付き合ってると見せかける為に、朝から和也の家に出向いて、自転車の後ろに乗せてもらって、途中まで一緒に行ったり、、、

校門の前で待ち合わせをして、寄り道しながら帰ったことも、、、

ちょっとイチャイチャしてみたりして、、、
あれはもう、デートだったよね。

「めちゃくちゃ危なくないですかぁ?モテる男の彼女役なんて」

「それなりに覚悟してたわよ。だけどなんにもなかったわ」

付き合ってると噂が流れても、
わたしは平穏無事に過ごしてた。

「幼なじみには敵わないから」と、
周りは口々に言ってた。

だからわたしは思っていた。
いつか本物になれるって。

こういう毎日を積み重ねて、
いつかはきっと…
そのうちきっと…