「彼氏くんイケメンねー!」
「えっ、そんな事ないですよ」
「凛ちゃんも美少女だし、お互い大変なんじゃない?」
店員さんの言葉に俺は正直に応えた。
「まぁ凛は確かに美少女ですけど、誰にも渡す気はありませんから」
「……っな!」
「………若いって良いわね…ごゆっくりどうぞ〜…」
乾いた笑いを残したまま去って行く店員さんに首を傾げていると、凛が真っ赤な顔をしながら否定してくる。
「わ、私は美少女じゃなくて! 暖がイケメンなだけでしょ!」
……え、説得力に欠けまくってるけど? 凛ってちょっと天然入ってんのか?
「凛は美少女って言っても可愛くもあるし、綺麗でもあるんだから、結局美少女に変わりねぇだろ」
「そっ! それを言ったら暖だって!」
「え、俺?」
「カッコイイけど優しいし、笑顔とかすっごく可愛いじゃな…!」
「「ストップー!!」」
突然現れた2人に少し驚きながら、凛が恥ずかしそうに名前を呼んだ。
「ひ、仁!」
「ちょっと凛、詳しく話なさいよ〜?」
「……分かってる。だからココにいるの」
美少女2人が並ぶとこんなに迫力あんのか…。 大楠さんといると凛は可愛い感じにしか見えなくもないな……。
それくらい大楠さんが綺麗って事なんだろうか。
「り、り〜ん〜!!」
「ん? あ、後。どうしたの?」
「俺は!?俺の名前は呼んでくんねぇの!?」
「ほら、座りなさいよ馬鹿!」
「うっせぇ鬼仁ぃ!!」
あーあ。 佐々部のヤツ馬鹿だな。 大楠さんにそんな事言うなんて……。
「後、今、なんて??」
「ヒッ!!」
「あんた…帰ったら命ないからね?」
にっこりとほくそ笑む大楠さんは綺麗な分顔に迫力がある。 いや、元はと言えば怒らせた佐々部が悪いんだけど。
もっと言えば俺は助けてやらない。


