『ちょっと凛! 大丈夫なの!?』
「うん、大丈夫。ごめんなさい、心配かけて…」
『凛が大丈夫ならそれでいいのよ! で、どうしたの?』
大楠さんの質問に、俺が何を考えてるのかなんとなく分かっていた様子の凛は同じく簡潔に伝えている。
『ほほう! それであたし達にも帰れって事ね? 凛の鞄をお供にして』
「そういう事なんで、お願いしてもよろしいですか?」
『親友の頼みとあっちゃあ断るわけにはいかないでしょー!』
「ふふっ、ありがとう」
『じゃあ今から馬鹿連れて帰るから』
「うん、待ってる」
お礼を言いながらスマホを渡してくる凛にどこにいようかと伝える。
流石に学校の近くは危ないだろうしな……。
考えていると凛は大楠さんにLINEを送ったようで。
「暖、私と仁がよく行くカフェが近くにあるから、そこで待ってよう?」
「ん、分かった」
今俺たち2人はあと5分程歩けば学校が見えてくる場所にいた。 この場所から3分程戻った所にあるカフェが御用達なんだとか。
―――……少し歩くとログハウスのような可愛らしい感じのお店が見えてきて、そこが例のカフェらしい。
「いらっしゃいませ」
「こんにちは」
「あら、凛ちゃん! 今日は…彼氏くんと?」
「ふふっ、はい。でもすぐに仁も来ますんで…!」
嬉しそうに、恥ずかしそうに店員さんに話す凛を見て俺も嬉しくなったし、恥ずかしくもなった。
好きな人と付き合うって、こんな気持ちなんだな…。
4人掛けのテーブルに案内され、とりあえず向き合うように座った俺たち。
注文を取りに来てくれた店員さんは俺にも声をかけてくれた。


