この世界で誰より愛しい君。
この世界で誰より大切な君。
もう、泣くな……。
「俺と、結婚して下さい……」
「……っはい…」
少し戸惑った声にやっぱり違和感を覚えた。
でも、そんなの気にしない。
今目の前にいる凛の応えこそが俺を幸せにしてくれるんだ。
「すぐにとか言うつもりはない。 ……だから、高校卒業したら、しよう…」
小さく、だけど嬉しそうに頷いてくれた凛を見てありったけの力で抱き締めた。
この細くて折れそうな体に、どれほどの想いを抱えてるんだろうか…。 それを2人で解決していけたらいいな。凛が俺を頼りにしてくれていたらいい。
そんな事を考えながら俺達は一旦学校に戻ることにした。
俺は早退って事になってるけど、凛が走ってきた様子を見ると飛び出して来たんだろう。
鞄持ってないし、何より息が上がってたし。
「凛、今何時?」
「えっと…15時過ぎくらい」
「ありがと」
15時過ぎって事は、最後の授業が終わるまでまだ30分以上はあると思ってもいいって事か…。 先生達にバレず校舎に入れたらいいけど、
「あ、」
入らなくても済む方法、見つけた。


