・・・+ side 暖 +・・・


いつだって太陽みたいに笑うやつだと思った。


誰からも人気で、可愛いくせに綺麗でもあって。運動も出来れば勉強も出来るやつなんて本当にいるんだなって思った事もある。


後輩からも先輩からも慕われながら"100年に1度の美少女"って呼ばれる理由も理解出来た。


それくらい俺には程遠い存在なのが坂下凛(さかした りん)だった。


いつも一緒にいる2人もとても有名で。


1人は美人でしっかり者だが少し馬鹿の委員長、大楠仁(おおぐし ひとみ)。


もう1人はかなり馬鹿で運動神経だけが取り柄のイケメン佐々部 後(ささべ あと)。


学校中の噂の的であり、誰もが憧れる3人と言われてる。


そんな未知の世界を生きるアイツらと俺が関わるなんて誰も思わねぇだろ。


もっと言えば関わりたくなかった。


……関わっては、いけなかった。


俺の中にそんな思いがある事を知ってるやつなんて誰1人いない。誰かに言うつもりもねぇ。


俺は、誰も信用出来ねぇから……。


何よりこの先有名な3人と関わることさえないんだから、残りの高校生活も大人しく過ごす予定だったんだ。


それなのに、馬鹿すぎるアイツは突然俺の目の前に現れた。



―――――………

―――……



「くっぼはっらくーん!」

「……は?」


いきなり呼ばれた俺は目の前の状況について行けないままただ話を聞くだけ。



「なぁなぁ! 俺と友達になんねぇ?」

「……いや、なんねぇけど…」

「なってくれねぇと俺死ぬんだって!! な?」



いやいや。な?じゃねぇよ。


いきなり人の教室来てなんだよ。