優しく笑うその顔は、大丈夫だって言ってくれてるのが分かる。


ありがとう、仁。


………あ、そうだ。



「ねぇ、後」

「うぁ?」



今だから言っとくね。



「本当は後にも、いつも感謝してるからね」

「へっ!? ど、どうしたんだよ凛!」



照れながらもどこか嬉しそうな後を見て私まで嬉しくなった。


良かった。 やっぱり、伝えて良かった。


後だっていつも私を助けてくれるから、本当に感謝してるから、ちゃんと伝えたかったの。


今じゃなくても良かったかもしれないけど、今言いたかった。


今伝えないと、私は前に、暖の元へ走れない気がしたから。


2人が私の後ろで背中を押してくれてる限り、私は前へ進める。


何も怖がらずに暖の元へ行ける。



「ありがと、2人共…行って来ます!」

「「行ってこい!!」」



待ってるだけじゃダメ。


だけど待っていたい。


暖の言葉を信じたい。


他の誰でもない、暖だから信じたいの。


それでも私は前にも進みたいって思ってしまったから。この関係を、曖昧な、名前のない関係を今すぐにでも壊してしまいたいと思ったから。


だから進む。