ついに捕まったらしい後は仁に腕ひしぎ逆十字固めをくらわされてる。
あー、ほら、仁ってお兄さん2人いるから。
プロレス技かけるなんて朝飯前どころか朝起きてトイレ行く前に出来るわよ。
だけどそろそろ後を助けてあげた方がいいかもしれない。
だって顔が青ざめてるし。
本気で死にそうだもの。 それはそれで楽しいけど、流石に可哀想だから。
「ほらほら仁。 そろそろ離してあげないと後死ぬから」
「足りんっ!!」
「りっ…凛っ……た、助けっ…て…!!」
「ひーとーみっ!」
「………ったく。凛に免じて許してあげるわよ!」
あ、やばい、あと2秒遅かったら後死んでたな…。
良かったね後、私のおかげで助かったのよ。私に借り増えたわね。
これからの貸し、期待して待ってるわ。
「凛」
「…ん?」
振り向けば、また後の上に乗ってる仁が私に笑いかけてた。
「答えは?出た?」
「……っ…」
何も言えない。
本当は今すぐにでも暖に会いに行きたい。
行きたい……けど…。
俯いてしまったのは無意識で。きっとそれを仁は分かってる。
分かっていながら私の背中を押してくれるんだ。


