もしこれが先輩たちだったらどうするの?


人によってはアンタ死んでるかもしれないからね?


それに今日は私と仁だったけど、ほかの生徒が着替えとかしてたら地獄行きだからね?


私の無言の訴えに一歩下がった後は気まずそうに「ごめんなさい…」と呟いた。


小さくため息をついた私のあとは仁のお説教が始まる。



「あ〜〜と〜〜っ!!!」

「ヒッ!!」

「あ〜〜ん〜〜た〜〜ねぇ〜〜!!」

「うわぁぁああ! ごめんって仁!!」

「ごめんで許されるならあたしは鬼にならん!!」

「ちょっ…バカ! し、死ぬっ…!!」



必死で逃げ回る後と仁を見てるだけで元気が出るんだから本当に不思議だわ。


……いや、この2人だから笑えるんだろうけど。


私たち3人は幼なじみで、昔から一緒にいるから。その分お互いを分かってる。


だからこうして今でも一緒にいるし、同じ事で怒ったり笑ったり泣いたり出来るんだ。


それだけですごく幸せだと感じる。


ただ―――……。



「………暖もいればな…」



どうしても、そう思わずにはいられない。


大好きだから。


側にいたいから。


どうしても、暖を思ってしまう。