「おはよう、り…んん!?」

「おはよ…仁……」



翌朝。学校に行った私は朝から仁に保健室へ連行された。


理由なんて自分が1番分かってる。



「……どうしたの、その顔…」

「っはは、やっぱり目立つ?」

「目立つどころじゃないわよ馬鹿!」



いつものように馬鹿呼ばわりなんて、相変わらず酷いわね、仁。


なんて……。


こんな顔見たら誰だって心配するわよ…。


私だってもし仁が今の私と同じような顔で学校来たら間違いなく保健室行きだもの。


保健室に入るなり先生は驚いた顔をしたけど、何も言わずにベッドを貸してくれた。


お礼を言った私に先生は「女の子に無理は禁物よ」とだけ言って部屋を空けた。


――多分、気を利かしてくれたんだ…ありがとう先生…。



「ちょっと凛、本当にどうしたのよ…」



心配そうな仁の顔を見てたらまた溢れ出す涙。


もう…ダメッ……。


泣きながら昨日の出来事を仁に話す。


仁は相槌を打ちながら時々、「やっぱ窪原コロス」なんて恐ろしい事を言ってた。


そんな事しちゃったら私今よりもっと泣いちゃうんですけど…。


話し終えたあと、仁に聞かれた。



「それでもまだ、好きなんでしょ?」

「…うん」



誰が、とか、何が、なんて言葉はなくても伝わった。


こんなに諦め悪い自分がいるなんて初めて知ったよ。


きっと相手が暖じゃなかったら知れなかった自分に出会うことが出来たよ。


ありがとう、暖。