それを分かってるの?
分かっていながら笑わせてやるなんて言ってるの?
―――寝言は寝て言って。
「……じゃあ、今すぐ私を笑わせて」
アナタの言葉で私を笑わせて。笑顔にさせて。
そしたらもう泣かないから。
嫌いって言われたことも気にしないから。
だから、今、笑わせて。
「……俺はお前を…っ…」
「え?」
「……………笑わせてやれねぇんだよ…」
どういう事……?
「だから…友達として……お前を笑わせてやりてぇ…」
「…待って、どういうこっ…!」
「凛、俺らは、友達だろ――?」
「―――っ……そう…ね…」
どうしてこんなときに…。 友達だなんて…。
ふざけてる……やめて…。 馬鹿にしないで。
はぐらかされた。分かってる。 文句だって、言いたいことだって沢山ある。
だけど。
アナタの悲しそうな、今にも泣き出しそうな顔を見てしまえばそんな事言えるはずもなくて。
「ありがとう、凛」
ほら、また。
そうやって、都合の良い時だけ私の名前を口にする。
私たちは、友達だから。
だから、都合が良くたって、なんだって仕方ないんだ…。
私たちは、友達なんだから……。
悔しくて、苦しくて、今すぐ声を上げて泣きたかった。
それを必死に堪えながら笑顔を見せる。
「それじゃあ、また明日ね、暖(のん)」
「………おぅ。明日な、凛」
―――私たちは、友達以上になんて、なれないんだ…。
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