「俺が仲良くなればよくね!?」
「「却下だな」」
ハモった私と仁に「なんで!?」と大きな声で訴えてくる後だけど、本当に無理だから。
「考えなくたって分かるよ。ね、仁」
「そうね。今回はあたしが馬鹿だったわ」
「ほら、仁もこう言ってるし無理だよ」
私たちの会話に反論してくる後だけど、無理な理由が本当に気付いてない辺りで無理だから。
そんなんだから無理なんだよ。ドンマイ、後。
「〜〜っんなに言うなら今から行ってくっからな!!」
「「行っても無駄だって」」
「ハモんじゃねぇ!!」
1人怒りながらダッシュで教室を出て行く後を憐れな目で見つめる私と仁。
「……どうするの?」
「…………何が?」
「窪原のこと」
「………」
仁の質問には相変わらず何も言えなくて。
だけど仁の言いたいことは少しだけ分かった。 多分だけど、憶測でしかないけど、後は本当に仲良くなると思うよって、そう言いたいんだと思う。
分かってる。仁との付き合いが長いように、後との付き合いだって長いんだから。
2人が幼なじみって事は、私だって2人と幼なじみなんだから。
―――後は本当に、仲良くなって帰って来ちゃうんだろうな…。
ぼんやりそんなことを思った。


