ビッチが結婚するまで

「一緒に暮らすことはできないけど、あゆが会いたい時に会えるからね。」

そうなんだ。じゃあ大丈夫だ!

なんてお気楽に考えていた私とは裏腹にパパとママはまだ話合っていた。

「籍はいつ抜く?」
「早いほうがいいわ。」
「せめて卒園式までは家族でいてやってくれ。」
「分かったわ。じゃあ卒園式の日に出しましょう。」


この日からパパは私にすごく優しくなった。
ママは毎日朝方に酔っ払って帰ってきていた。

卒園式の日、パパはシングルファザーになった。
卒園式が終わってすぐに区役所というところに行って手続きをして
ママはその日から帰って来なくなった。

パパは買い物に行ってるんだよ。と言ってたけどママが帰ってくる事は無かった。

小学校の準備に追われながら私はパパとの2人暮らしに寂しさを感じていた。
朝から夜までパパは仕事の為その間近くに住んでいるばあちゃんとじいちゃんが来てくれていた。

最初の頃は楽しかったし嬉しかったけどパパが家に帰って来ない日が続いた。