休暇日
街
ル「ちょっとあそこの雑貨屋で
新しいスケッチブック買っていい?」
ミ「あぁ」
ルカは店の中にいた人通りを
手慣れたようにすいすい抜けた
その様子を見ていたミケも関心する
ル「ごめんね、お待たせ」
ミ「…随分、沢山買ったもんだな
こんな買いだめしていいのか?」
ル「いひひ、二人の貴重なモデルが
出来たんだ♪買い出しで時間を
割くわけにはいかない‼フフッ」
ミ「ッ…」
身の危険を感じたミケであった…
ル「ペンとインクは兵団からの支給品で
なんとかやっていけそうだし、
取り敢えず大丈夫かな!」
ミ「どこで描くか決めてるのか?」
ル「まぁね♪山に行くから
移動に時間を掛けたくないし、
近道の急斜面で行くよ」
ミ「…あぁ、わかった行こう」
ルカは足早に歩き、
ミケも促されるまま付いていく
―――――
――――――
――――――――
街から大分離れ森を潜り抜け、
最初の難関、
ほぼ垂直の岩の絶壁が現れた
ミ「…これを登るのか?」
ル「そうさ!気を抜くと
命落とすから頑張ってね‼」
ミ「…因みにルカはどのくらい
此処を登っているんだ?」
ル「まだ4、5回ぐらいだけど、
緩やかな道より断然こっちの方が
早いからそれ以来絶壁の方で
登るって決めたの」
ミ「…絵描きも命懸けなんだな」
ル「そうさ♪
ミケなら大丈夫‼行こうか‼」
ミ「あぁ
(この絶壁はなかなかだ…)」
岩の絶壁を登って一時間が経過し
やっと頂上が見え始めた
ル「さぁミケ、もうすぐだ‼」
ミ「あぁ…そうみたいだな」
二人は頂上へたどり着いた
ミ「…此処か?」
ル「ううん、まだまだ‼」
ミ「…だろうと思った」
ミケはとんでもない奴に捕まったと
少し諦めが混ざった様子だ
ル「今度また下るんだけど、
休憩した方がいい?」
ミ「いや、ルカのペースで構わない」
ル「むふふ、ありがとう!
それじゃあ、休憩なしで行こう‼」
ミ「わかった」
ルカとミケは
さっきとあまり変わらない程の
傾斜角度で下り始めた
二つ目の難関も終え
しばらく歩いていると目的地に
ようやく着いたようだ
ル「ミケお疲れさま、ここだよ」
ミ「ッ…」
ミケは目を大きく見開いた
そこには広々とした空間に
草花が生い茂っており、
野うさぎやリス、鹿たちが
幸せそうに暮らしていたのだ
まわりには街で見たことのない
果物のような木の実まで生えている
ル「私も最初来たときは驚いたよ
だって、この狭い壁の中にこんな
美しい光景があっただなんて
思ってなかったもん」
ミ「あぁ…、ルカが体を張ってまで
此処に来たい気持ちが凄くわかる」
ミケは手を大きく広げ目を閉じた
ル「ッ…いいね!暫くそのままにして」
ミ「…」
ルカはミケの自然体に惹かれ
スケッチを始めた
ル「…次エルヴィンとも、来たいね」
ミ「あいつも驚くだろうな」
ル「ね♪
ミケの鼻休めにでもなったかな?」
ミ「フッ)鼻通りが良くなったかもな」
ル「クスッ)」
ルカはスケッチをするのを一旦止め、
その場に寝転がった、
そしてミケも隣に寝転がる
――――
――――――
―――――――
――――――――――
「…ヵ……………ル……………ルカ‼」
ル「は、はい‼」
ミ「ようやく起きたか」
ル「あっ…私、寝てた……ってあれ?」
ルカが違和感を覚えているのも
無理ないだろう。
そう、今、ルカの目の前には
見覚えのあるミケの頭があるのだ
ル「えっ、ミケ?」
ミ「すまん。あのまま寝過ごしたら
夜になりそうだったもんで
勝手におぶらせてもらってる」
ル「ご、ごめんっ‼すぐ降りるって…
そこってもう、訓練施設……??」
ミ「あぁ。流石にこの姿で
入る訳にはいかんから降ろすぞ」
ル「は、はい…」
ミケはゆっくりとルカを降ろした
ルカはしまったと
ばつが悪そうにする
ル「……私を担いであの絶壁を
降りたんだよね?」
ミ「そうだが?」
ル「そうだが……じゃなくて‼
起こしてくれれば良かったのに…」
ミ「起こそうかと思ったが、
気持ち良く寝てたみたいだから
悪いと思った」
ル「いや…これじゃ、
訓練と変わりなかったじゃん…」
ミ「綺麗な光景が見れた」
ル「確かにそうだけどさ…」
ミ「ルカの寝顔も見れたし
良い休暇になった」
ル「ちょっ、ちょっと////」
ミ「フッ)」
ル「…けど、送ってくれてありがと」
ミ「あぁ」
こうして訓練兵としての
はじめての休日は終ったのだった
