走馬灯

ある日俺が仕事に行くと、

いつも優しい

所長の井口さんの様子が変だった。

よそよそしく、

なんだかそわそしているようにも見える。


そして驚くべき言葉を耳にする。

“もう明日から来なくて良いわよ。ゆうじくん。”

“エッ?”


俺は何がなんだかよくわからない。


所長は目に涙を浮かべている。

“私は頑張っているゆうじくんを

本当に心から応援していたのよ!!”

“???”


俺は驚きと失望のあまり、

何も聞くことができなかった。


ただただ呆然としてしまった。

所長の言葉に俺は

裏切りしか感じることができなかった。


結局俺は作業所をやめ、

ほとんどを家で過ごすようになった。