走馬灯

少し母さんの状態もおさまって来た矢先だった。


いつも半狂乱で何か叫んだり、

妄想していた母さんと

会話したり、外食したりもできるようになっていた。


そして運命のその日は突然にやって来た・・・。



その日は兄ちゃんと二人でテレビを観ていた。

母さんはいつものように寝ていた。


ふと気づいた。


最初に気づいたのは俺だった。


母さんが呼吸をしていない!!


眠っている胸がまったく動いていない。