走馬灯

法事の当日。

朝から何度も何度も電話あり・・・。

きっと兄ちゃんだ。


体がいうことをまったく利かない。

起き上がりたいのに起き上がれない。

体がとってもだるい。


申し訳ないがキャンセルしよう・・・。

ごめん。

父さん、母さん。


俺はまだ、いやなことに

目をつぶってまで

立ち向かうことができないんだ。


兄ちゃんは

ほんの一時のことじゃないか!って言うけど。


礼服はきちんと用意したのに

結局俺は参加できなかった・・・。