走馬灯

そのいでたちはまるで、

酔った時に半狂乱になる母さんにそっくりだった。


そしてこのちらかった部屋は・・・・・。


絶対に思い出したくない悪夢が、

俺の脳裏をかすめた。


そうだ!!

あの、

何か得体の知れない化け物に襲われた

あの時のような錯覚に陥った・・・・。


ひながせいうちとだぶり、

俺は震えがとまらなくなった。


そして部屋を飛び出し、

自動販売機でビールを買った。


一揆飲みした。

すきっ腹と、

もうずっと飲酒していないから・・・

クルクルと目が回った。



どのくらい時間が経っただろう・・・。

やっとの思いで家に帰ると、

ひなはまだしくしくと泣いていた。


俺はぼんやりする意識の中でひなを抱きしめた。


こうして俺はまた飲酒をしてしまい、

自分の意思の弱さに

つくづく嫌気がさした。