(表)王子様と(裏)お嬢様

黒いさらさらの髪に、濡れたような瞳、その完璧すぎる顔に優しい笑みを浮かべて、立っていたのは…
学校一のイケメンで通称王子様、の小鳥遊裕翔(たかなしゆうと)だった。
「だ、大丈夫です。」
顔をしかめないようにしながらそう精一杯返事を返して、友達のところへと急ぐ。
小鳥遊君が私を獲物を狙うような目で見ていることに気づかないで…。