夕夏「相変わらず
嫌な彼氏だね。」



『夕夏…』




彼女は夕夏[ユカ]
私の友達。


私の気持ちを理解してくれる

数少ない人間。




『仕方ないよ
もうこれは治んないから』


夕夏「仕方なくは無いでしょ
なんで別れないのさ」


『なんでって
好きだからだよ』


夕夏「……はぁ
嘘つきめ!」




嘘ではないんだけど

私はあくまで


癒玖が好きだから
付き合ってるだけ。

好きで
そばに居たいから別れないだけ


ただ一つ


普通だったら
彼の一番で居たいと思うのかもしれないけれど


私はそうでなくていいと思ってる




癒玖みたいに

モテる人間を、独占しようって言うのは
無理があるから





癒玖「来幸。」


『あ、癒玖…何?』




そう言えば
まだ、私の名前言ってなかった

冬村来幸[フユムラ コユキ]です。





癒玖「今日一緒帰ろ?
部活休みだし、生徒会の仕事も昨日終わらせたから」



『今日は他の子と一緒に帰るんじゃないの?
水曜日だよ?』



癒玖「何言ってんの
彼女が一番に決まってる」





そう言って私の頭を撫でる、癒玖。

……嘘つきは癒玖の方だ


今日は水曜日
いつもなら、バスケ部のマネージャーと帰る曜日。



曜日で違うんだよ
一緒に帰る女の子が

私は月曜と金曜のみ



まぁ

7日の中2日あるだけ特別なんだろうけどね……