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「でぇさぁ〜?私に奢らせたんだよ!?その彼氏ぃ
酷くなぁい?ねー!癒玖ぅ?」


「それは酷い
俺なら絶対奢らせないよ〜?」



「あっはは
もう、癒玖に乗り換えちゃおっかなー!」





廊下での会話。


何気ない。高校生の会話に感じるかもしれない。



けれど


女には彼氏が
男には彼女がいる。




ましてや
男の彼女は

私だ。



彼の名前は河瀬癒玖[カワセ イク]


私の彼氏である
……はずの人物。





イケメンで
運動出来る。頭も良し
生徒会長で?
オマケには来るもの拒まず?

そんな獲物を

肉食女子が見逃す筈もなくて



毎日、違う女の人と廊下であぁやって話してる。





最初は、そりゃ…
傷ついた。

別れようともした。


けど



彼が認めなかった





癒玖は

自分に来るものは拒まない


けれど
すぐにサヨナラもする。


要は飽き性




けれど


私には飽きないそうで




手放したくないとか






自分は散々浮気して

彼女には自由を与えない。




我儘め……





……癒玖と付き合いたいって子は沢山いるし
私より可愛い子なんか山ほど居る

なのに……




癒玖は、私が居なくても困らない。




ねぇ。癒玖。


貴方の隣に私は必要ですか