すると、場も悪いのだが、あたし達の教室の前に、聖子姫が立っていた。

「桜のき……………」

「(行かないで。あたしの言うことだけを聞いていなさい。)」

小声で、聖子姫に、聞こえないように指示した。

これ程言ったにも関わらず、忍君の目線の先には、あたしはいない。
常にその先にいるのは、聖子姫(桜の君)だった。

忍君、そういう事ね。
あの娘が生きている間は、忘れられないと言うのね。

忍君。
あなたの為ならば、喜んであたしの手を汚してあげるわ。