「ほほほほほ。」

あぁ、満足、満足。
とても嬉しくてよ。

だって、あの女の、聖子姫の、哀れな顔が見れたのだもの。

「咲佐納。」

忍君。
あなたには、常磐と呼んでほしいの。
名字呼びなんて、つまらないじゃない。

「あたしのこと、常磐って呼んでよ、忍君。」

忍君は、うんともすんとも言わないで、ただ、哀しそうな顔をしている。