「嫌だ!桜の君!」

僕は、桜の君に駆け寄って、頬をポンッと叩く。

「良かったわね。」

嫌だ。
嫌だ、桜の君。

「何がだ!黙れ!」

少女は、「どうして?」と、首をかしげた。

「あたくし達には、もう、邪魔者はいなくてよ?何をそんなに嫌がっていますの?」

そう言うと、少女は顔を隠していた布をバサリと取る。