『俺、気付いたんだよね。そんなものは過去の栄光であって確実に衰えてが俺を蝕んでいる事に!そりゃそうだよな!俺もう36だし二十歳の子からしたらオッサンそのものじゃん!』



「……はぁー。まぁ、そうですねぇ」



『なのに、何故、水城は今だ劣らない?俺と同じ36だぞ!俺とあいつの何が違うってんだよ!』


「く、黒崎さん、落ちて下さい。うるさいですよ」


『そう考えたら、俺さ……俺さ…悲しくなってきてさ。普通へこむだろ?へこむよな?川本よ。少しは慰めろよ』




「あっ、はい。もう結構です。仕事して下さい」



真面目に聞いてて損した。
損した上にディスられた。 

恋愛経験が乏しいあたしが、乏しいなりに気を使ったのに馬鹿を見た気がする。



『えっ、川本?こんな俺を見捨てるの?えっ?そうなの?』



「黒崎さん、いつまでも夢を見るのも結構ですが、現実を受けとめるのも大切だと思いますよ。今月も入稿迫ってきてるんですからね」





さっさと仕事して、あたしを手伝って下さい。
今月もあたし、ギリギリなんです。