前田先生はとにかく気分屋で気難しい性格をしている。
川本が担当していた頃、だいぶ苦労していたみたいだった。
背中を向け、のそのそと富井のデスクに近寄っていく様は負のオーラ全開だった。
『あらら、川本可哀想。またぶっ倒れちゃうかもよ?』
『…なら、黒崎。お前でもいい』
『えっ…それは勘弁。俺のガラスのハートがまた砕ける』
黒崎は以前、富井のサポート役として前田先生との打ち合わせに同席して撃沈させられたのだ。
"なんだよ!俺ってそんなに不細工?イケメンとまでは言わないけど、不細工までじゃないと思ってたんだけど!ねぇ、水城!俺ってそんな顔面偏差値低いの?"
戻ってくるなり、すげぇ形相で近付いてきて半分早口すぎて何言ってるか分からなかったからシカトしてやった。
