干物ハニーと冷酷ダーリン



『…黒崎。立て直すぞ』



『………へっ?』



いい加減、こんな出版社は辞めてやろうと思った。ここを辞めても別に出版社はある。
現に、一社から誘いを受けている。


いっそ、そっちに行ってしまおうとも思ったが生憎俺はそこまで落ちぶれちゃいない。


だいたい、あの馬鹿編集長に部署が変わってそうそうに逃げたと言われると思うと腸が煮えくり返りそうだ。



俺は往生際が悪いんだ。
ついでに、負けず嫌いでもあると自負している。編集者としてのプライドだってある。


なら、やってやる。
このクソみたいな編集部を俺が変えてやる。




『黒崎、印刷所と目ぼしい漫画家をリストアップしておいてくれ。俺は少し出てくる』



『はっ?えっ、お、おい!水城!?』