それでも俺は、素直に異動を受け入れられるはずもなく、何度も馬鹿編集長に抗議をしたが取り合って貰えず、入稿日が近づいてきた。
終いのはてには、次の担当編集まで連れてきた馬鹿編集長はいよいよ俺の追い出しに本腰を入れてきやがった。
ついでと言わんばかりに、日に日に俺のデスクにあったものが無くなっていくと思ったら、黒崎が勝手にミルキー編集部へと移動していたのだ。
これはもう、後には戻れない所まで来てしまっていた。
いつか絶対に、馬鹿編集長を今度は俺が追い出してやる。覚えておけよ。
文芸編集者、水城禅。
6年目にして、ミルキー編集部に異動。
案外、あっさりとしたものだった。
