「ちょっ!水城さん!なに呆けてるんですか!?大丈夫ですか?10分くらい違う世界に行ってたみたいですけど」
『………うるせぇな、川本』
俺のデスクの前で、ぎゃんぎゃん吠えている部下の川本かえで。
「いや、あのすみません…でも、あのこれ次の増刊号の企画書でして、水城さんに確認してもらわないと次に進めないんです!」
『…………ああ、そう』
「あたし、これから久留米先生の所に行かなきゃなので、出来れば戻ってくるまでにお願いしますね!結構いろいろギリギリなんです!」
言いたい事だけを言って、嵐のように飛び出して行った川本の背中を見送る。
あいつ、時々俺が上司だって事忘れてないか?
何だよ、あの厚かましい言い方は。
