先生!出来てたんですね。
電話しても出なかったから、てっきりばっくれるのかと思ってました。


でも、出来てたなら出来たで連絡してくれても良かったんじゃないですかね。

おかげで、あたし怒られるんですよ。



とは、流石に言えないけど。



「ありがとうございます!では、確認してまた連絡します。ああ!それからこのまま次の原稿にも取りかかって下さいね。お願いしますね!」



先生は、原稿を渡すとすぐにドアを閉めてまったが、今回は締め切りに間に合っただけよしとしてあげましょう。



原稿を抱えて、下に停めたままだったタクシーに乗り込み出版社に戻る。



あー、良かった。
先生、やれば出来るじゃないか。



パラパラと帰りのタクシーの中で原稿の確認をする。




打ち合わどおりの完璧な原稿にホッとした。

これならすぐに印刷所に持っていける。