19時過ぎに編集部に戻ってくれば、黒崎が沈んでいた。
他は帰ったようで誰もいない。
PCを立ち上げ大量に送られて来ていたメールを返していく。
川本からの報告も確認しつつ長谷川に連絡を入れればまだ残っていたので打ち合わせをする事にした。
『おう。今戻ったのか』
『あぁ、どうだそっちは』
『まぁ、そこんとこのお嬢が上手いことやってくれたおかげで問題ない。次からは間にうちが入るから気にせず原稿あげてくれ』
長谷川が珍しく寄越してきたコーヒーを飲みながら話を進めていくと盛大に椅子から落ちた黒崎が飛び起きた。
『あれ、水城いつの間に?』
『ちょっと前にな、、、』
物音に驚いた長谷川は、誰もいないと思っていたのかすげぇ顔して黒崎を見ていた。
『お前、まだいたのか!?』
ヤバかったんだぞ、こいつら。
聞けば編集部を通りかかった時、黒崎と川本が取り憑かれたかのように歌い踊り狂っていたらしい。
こいつら、俺が居ないと好き勝手な事してんだな。
『帰りたくても、あの小娘地味に間隔あけてネーム送ってくんだよ』
拷問かよ、嫌がらせかよ。とグチグチ言ってるそばからまたネームが送られてきた。
『溜まったら取りに行くって言ってんのに、早く確認して下さいって、、、、』
『鈴村先生か?』
長谷川が聞けば、黒崎は長谷川に泣き付きながらああだこうだと喚いていた。
非常にうるさい。
