黒崎に至っては、川本と連絡が着かないと鬼の様に電話は掛かってくるし長谷川からも着信がきていた。
ただあいつだけが能天気すぎた。
それでも、どうやら上手くいったようなので最悪な事態は回避したみたいだ。
あとは鈴村先生の頑張り次第って事か、、、。
まぁ、モチベーションの上がっている作家は異常なまでの集中力を発揮する事がある。
それに黒崎がついていけるかにもよるわけだが、そこは問題ないだろ。
『いやー、水城くんも忙しいのについ長話しになってしまってすまなかったね』
日も暮れかけてきた頃。
いくら元気とはいえ、無理はさせられない。
時間も時間なのでそろそろ帰らなければ。
『いえ、こちらこそ長居してしまって。先生にお会い出来て良かったです』
次は、旅行がてらにお嫁さんといらして下さいね。
なんて娘さんが、言うもんだから適当に誤魔化しておいた。
水城くん、結婚したのかね?
先生が食いついてきたもんだから、
残念ながらまだです、出来たら必ず連れて来ます。
と言っておいた。
それがあの担当編集者、川本だと知ったら藤田先生はどんな反応をするのか。
また1つ楽しみが増えた。
