干物ハニーと冷酷ダーリン



宮城に、ついた俺は見舞い品を購入し病院へ向かった。


『藤田先生、ご無沙汰してます。体調はどうですか?』


あの頃よりも、一回り痩せてしまった藤田先生。万年筆を握り続けた手も今ではほっそりとしていた。



『やぁ、水城くん。遠い所まで悪かったね。少し風邪をこじらせてしまって、今はもうすっかり元気だよ』


今週にでも退院なんだ。

と明るく話す先生に安心した。



『それより、仕事はどうだい?忙しいんじゃないかい?』


『まぁ、ぼちぼちです』


『君が漫画編集者になったと聞いた時は、驚いたけど凄い活躍じゃないか。孫たちからどんなものかと見せてもらったよ』


『先生が読まれたんですか?』


『意外だったかな?この歳になると時間だけはたくさんあるからね』



今では、私も新刊を楽しみにしているファンの1人さ。
特に、久留米先生の作品にハマってしまった。


藤田先生はベッドサイドの棚から久留米先生の漫画を何冊か出して見せた。


『最後の、あとがきのページも最高だね』



あとがき?

あとがきに至っては、作家の自由にしており編集者はノータッチになっている。


見せてもらうと、読者様への感謝の言葉などが書かれている。

が、小話として編集者の事も書かれていた。