あたしは一度、水城キャッスルに戻りちょいと小綺麗に武装した。

目の下の隈さんはどうにもこうにも出来なかったのでこのまま行こう。

アニメ制作会社へと向かう電車の中で、水城さんに渡された資料に、目を通す。


意向としては、アニメ化に向けて進める。

なんせ、鈴村先生がかなり乗り気だったからだ。

漫画家でアニメ化を喜ばない人は早々にいない。むしろアニメ化なんてほんの一握りの人にしか与えられない勲章。

出版社総出でお祝いする代物だけど、状況が状況なだけにお祝いムードとはいかず、、、。



黒崎さんなんて、

『あの娘、いつもギリギリ、、、いやむしろアウトなのに喜びやがって、、、俺が倒れたらあいつも道連れにしてやる』


と、ちょっと気持ち悪い言葉を並べ立て半ギレしていた。



そして、あたしがアニメ制作会社に赴く1番の目的がこれだ。



アニメ化の事は、忘れてないですよ。
大変喜ばしく思っています。

ご挨拶が遅れてしまい申し訳ございません。

作家の鈴村先生もアニメ化に向けてより良い作品をと励んでおります。

どうぞ、これから宜しくお願い致します。



てな感じでうちの失態をひた隠しにし、円満に進めるというもの。

出版社たるものアニメ制作会社様から見限られてはお終いなのである。