『いや、、、あのまま泊まれたら良かったが、悪い事したな』


水城さんがそんな事を言うから、冗談で今から戻ります?と軽口を叩いたら、次の駅であたしだけ降ろされそうになりかけて必死に抵抗した。




それが車を停めた駅まで続いたもんだから、車に乗る頃にはぐったり。

酷く疲労困憊だ。



『お前だけでも戻ればご両親も喜ぶだろ。明日1日休みにしといてやるぞ』


「嫌ですよ!置いてかないで下さいよ!今日休んだ分取り戻すの大変なんですから!また印刷所からクレームきますよ!」


『慣れてるだろ、お前は』


「好きでどやされる人なんていませんよ」




空はすっかり紺いろに染まり、慌ただしかった今日が終わるなぁなんて考えていたらそこで記憶がなくなった。


つまり、運転している水城さんにお構い無しで寝ていた。


凄い爆睡していた。

首が痛くなる体勢で寝ていたにも関わらず、長時間寝た。


頭に凄まじい衝撃があり、目が覚めたら水城さんキャッスルの駐車場についていたのだ。



「あっ、、、すみません。寝ちゃいました」


『別にいい。静かで』


さようですか。それは良かったです。

さっさと車から降りた水城さんの手にスーパーのレジ袋が握られていてまさかと思ったらそのまさかだった。

水城さんが買い物をしている間も寝ていたなんてお恥ずかしい。


せめて夕飯は作りますと出来ない事を言えば、作らなくていいから、その間に段ボールの山を片付けろとあっさり言われた。