『6年もこの仕事を続けてれば、出来て当然だ。でなきゃただの馬鹿だ。それに締め切り前のコイツの顔見たことねぇだろ。よそ行きの化粧塗ったくった顔とわけが違う。到底見れたもんじゃねぇ』



ん?

んん?



『そりゃあ、食うもん食わなかったら太る事もねぇだろうが出るとこも出てねぇだろ。おまけに担当作家を追っかけ回してれば誰でもコイツと同じ体型になれる』



それを聞いて、相崎さんはちらっとあたしを見る。

特に、胸とおしりらへん。

何も忠実に出るべき所を見なくたって、、、、。

どこみてんのよ!とでも言うべきか。




『それに、料理も出来なければ米すら炊けない。部屋も汚ねぇうえに、酒癖も酷い。よくここまで生きてこれた事に俺は感心するね』


「っ!今は綺麗に掃除しましたよ!」


『ああ、そう』




ディスり始めた水城さんに、途中口を挟めば二言で流された。
そうだ、水城さんはつい今しがた華麗に裏切りを決めたんだった。




『そこまで言うなら、何故、、、、』



水城さんの話を一通り聴いていた相崎さんが静かに呟く。



確かに!そこまで言っていて、何故?と思うのは相崎さんだけではないだろう。

水城さん、墓穴です。自爆です。取り返しがつきません。

相崎さん、疑ってます。めちゃくちゃ不信そうな顔してます。

そりゃそうだ、端からデマカセですもの。


だから、あの時さっさとトンズラすればよかったのに煙草なんて吸うから。

しかも、あたしめちゃくちゃディスられるし。

あたしだって、へこみます。