『……まぁ新人に頼んだ俺が馬鹿だったんだ。だからもういい。まだ打ち合わせの最中なんだ。さっさと帰れ』
「…えっ?もういいんですか?」
てっきり、説教30分コースかと思ってたのに。
今日はあっさりしたものだ。
お説教している時間も惜しいと言う事だろうか。
『何だ?俺がもういいって言ってんだ。気に食わないのか?』
「……い、いえ。本当に申し訳ございませんでした」
もう一度、深く頭を下げる。
この件について、こちら側は心の底から謝罪した。
長谷川部長の厳しい言葉にも反論しないで耐え抜いた。
頭も下げに下げまくった。
頭をあげた高橋さんは、軽く会釈してこの場から立ち去ろうとしている。
が、しかし。
この場から動こうとしないあたしを見て、きょとんとした顔を見せる。
それは、長谷川部長も水城さんも同じだった。
『…は?』
「…えっ?」
まだ何か用があるのか?と怪訝な表情をする長谷川部長。
「……、あの。あたし達、ちゃんと謝罪しました。それは少なからずこちらに非があったからです」
『だから、もういいと言っているだろ』
「…えっ?もしかして長谷川部長、全ての責任を押し付けるつもりですか?」
『、、、、何が言いたい?』
鋭く威圧的な視線があたしに突き刺さる。
