「温泉、温泉ね。高橋さん行ってきていいよ」
「えっ?川本さん、入らないんですか?」
「あー、んー、あたし今アレなんだよね」
女子には月に1度やってくるあいつ。
これだから、突然の旅行は困る。
こっちにもこっちの都合ってもんがあるんだ。
「…それなら、仕方ないですね。じゃあ、あたしちょっと行ってきます。あっ、宴会は6時かららしいです」
「りょうかーい」
またまた高橋さんを見送って、部屋に残る。
アレなのは嘘じゃないけど、高橋さんはこの旅行楽しんでるんだろうか。
一緒にいるあたしがこんなって、、、。
二十歳のそれも女の子。絶対楽しくはないだろうな。
旅行といえば、スマホで写真撮りまくって温泉に入りながら、胸がデカイとか小さいとかの話で盛り上がったり?
夜には恋ばななんかしちゃって?
………うん。ごめん高橋さん、あたしやっぱ旅行には不向きな人間だった。
そもそも、あたし旅行とか行かないし、休みがあればひたすら寝てるし何よりインドア派なんだよ。
