と、いうわけで黒崎さんの迷惑極まりない思いつきで編集部一行は温泉が有名しふ旅館に向かうべくバスの中で揺られていた。




一泊二日の旅行。

行きたくなかったあたしは、当日ボイコットを決行してみたが、ご丁寧に高橋さんが迎えに来てしまった。

何故、あたしの家を知っている?

寝起きでボケーと高橋さんを眺めていると、いつの間にか荷造りをされていて、私服までコーディネートされる始末。


バスに押し込まれ、否応なしに旅行に参加させられたのだった。



『イエーイ!みんな楽しんでるかーい?』


無駄に元気な黒崎さんのガイドに、おー!だかイェーイ!だかを返す編集者の皆様。



『おーい!川本!元気がないぞー』


バスの後部座席で小さくなっているあたしを目敏く見つける黒崎さん。


ホントあの人、良い性格してるよ。


そんな黒崎さんを無視して、寝てますオーラをだし続けた。



帰りたい。

旅館に着いたら即行バスの時刻表を確認してやろう。