忘れていたけど、水城さんは叩き上げ上等精神の持ち主だった。
高橋さん、大丈夫だろうか。これで辞めたりしないよね?
カルガモよろしく、水城さんの後に付いて会議室へと入る。
一瞬でピリピリとした空気が包む。
何を隠そう、もうそこには営業部が待ってましたと言わんばかりにどっぷり構えていたからだ。
営業部部長の長谷川さんを筆頭に、この企画担当である大平さんと久保田さん。
まだ何も始まっていないというのに、この空気は重すぎる。
『げっ!何なに、君たち。この空気。ホント仲が良いんだか悪いんだか、分からないね。まったく、、、』
と、ダンテ出版統括マネージャーの谷さんが会議室に入ってきた。