半年に1度、月刊誌や増刊号の他に企画号として人気漫画化上位20名の漫画を掲載する。



そこで、アンケート結果によってフェアが企画され、サイン会や講演会などが開催されたりする。


その企画号に載る原稿だけは、期日に全ての原稿を入稿しなければならない。


入稿の管理を川本に任せているが、黒崎だけの原稿がまだあがってようだ。



『水城……今回は明奈先生、落ちるかもしれない…入稿が明後日なのにまだペン入れなんだ』



『なんだと!今になって代えがきくわけないだろ。何としてでも上げさせろ!』






黒崎は、電話を掛け先生に進行状況の確認と称して追い込みをかけまくる。

そのやり取りを聞きながら、川本は顔面蒼白でデスクに項垂れる。



ああ、昨日の休日は何だったのだろう。
嵐の前の静けさってやつか。


こんな事になるなら、しっかり企画の進行を確認しとくんだった。


まったく、休んでいる場合ではなかったのだ。


誰だよ、入稿に間に合うなんてホラ吹きやがった奴は!