「蒼斗のせいだよ…バカ。」




「え?!何か言ったか?!聞こえねーんだけど!!」


電車の騒音に掻き消されるように呟いたはずの私の声を、蒼斗は聞き取ろうとしてくれて。

耳に手を当てて、こっちに体を寄せる。


「何でもないですー!!!」


蒼斗に心配をかけないように私はそう叫んだ。

私のその答えに蒼斗はホッとしたようで、私の頭をポンポンと軽く撫でた。

そういう所が本当に、




「好きだよ。バカ蒼斗」