いつものように家の近くの踏切が降りていて、いつものように電車が通るのを待つ。
「ってか里帆、お前も早く彼氏作って、孤独死しないようにしとけよ?」
「はぁ?!蒼斗調子乗るのもいい加減にしなさいよね!だいたい、誰のせいで彼氏できないと思って…」
やばい。
言わなくていいことまで言ってちゃうとこだった。
と思って口をつぐんでも、時すでに遅し。
そこまで聞いてしまった蒼斗は
「え、何。誰のせいだよ…俺のせいか?!」
と、本気で心配している様子。
「何でもない。蒼斗のせいでもない」
「なんだぁ良かった。俺と帰ったりしてるからかと思ったわ」
私は少し拗ねたそぶりを見せたつもりだったんだけど、蒼斗は全く気が付かなくて、私の言葉に安心しているようだった。
その時、待っていた電車がようやく目の前を通り始める。

