「なぁ里帆(りほ)聞いて!俺、彼女できた!」

そう言って幼馴染みの蒼斗(あおと)が私の肩を叩く。

「おぉ、蒼斗。え?何、この蒼斗に彼女?あ、本の中に出てくる子?」

「いやいや、俺そういうの読むオタクじゃねぇから」


ハハハっと笑いながら私の横で蒼斗も靴を履く。

私と蒼斗は幼馴染で、高校2年にして初めてクラスが別々になった。

しかも蒼斗はサッカー部に入部して、私は帰宅部だから毎日一緒に帰るのが日課だったのに、それも蒼斗の部活の無い月曜日限定に。


さらに私はこのサッカーバカに恋をしている。


そしてたった今、失恋した。